ヨーロッパでノコギリヤシはどんな風に利用されているの？
フランスやイタリア、イギリス、ドイツ、スウェーデン、ベルギー、モナコ、ハンガリーといったヨーロッパの国々では、泌尿器系疾患の薬としてノコギリヤシが病院で処方されていることは有名ですよね。
19世紀、ヨーロッパから北アメリカ大陸に移住したヨーロッパの人々は、現地のインディアンが利用していたノコギリヤシに着目して自国へと持ち帰りました。
その後、ヨーロッパ各国で数々の臨床テストが行われ、ノコギリヤシ成分について次々と解明されていき、1950年代には排尿トラブル対策などに利用され始めます。
そして1990年、フランスのシャンポール博士が前立腺肥大への影響を報告したことで、ノコギリヤシが医学界でも注目されることとなりました。
このように、原産地であるアメリカではなく、ヨーロッパの国々でノコギリヤシが盛んに研究され、利用されるようになった背景には、「植物療法」の存在があります。
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植物療法（フィトテラピー）とは
医療に関する根本的な思想として、中国では生薬を用いた漢方医学が用いられてきたように、ヨーロッパではハーブを用いた植物療法・フィトテラピーの歴史があります。
なかでもフィトテラピー先進国であるフランス、イギリス、ドイツ、ベルギー、オランダなどでは、国家資格として認定されるフィトテラピスト（植物療法士）」が活躍しており、植物を用いた治療やカウンセリングを行います。
植物療法は、19世紀末にフランスから始まったハーブを研究する学問・ハーバリズムがその始まりです。
ハーバリズムでは、ハーブの品質や成育環境、品種、土壌、気候や採取後の処理の研究、内用・外用のための抽出法や内用法、単品またはブレンドして使用する場合の影響や拮抗について、組成成分についての研究を行います。
例えばドイツでは自然療法士制度が確立され、産科・歯科・性病科以外の診療科で、メディカルハーブを用いています。
このような医療環境を背景に、ノコギリヤシもメディカルハーブのひとつとして研究が重ねられ、活かされているのです。
ノコギリヤシの安全性を高く評価
ヨーロッパでノコギリヤシが高く評価される背景として、生活に密着したフィトテラピーの存在のほか、ノコギリヤシの安全性の高さが挙げられるでしょう。
ホルモン系の医薬品は、他のホルモンや臓器に影響しやすく、副作用としてめまいや倦怠感、体重増加・減少、肝障害などが起こりやすいというデメリットがあります。
一方ノコギリヤシには、副作用がほとんどないという臨床データの報告が多く見られます。
ヨーロッパの国々の医師はこのような安全性の高さを評価して、ノコギリヤシを用いていると考えられます。
「天然のカテーテル」とも呼ばれるノコギリヤシは、日本ではサプリメントとして手軽に利用できます。
安全性というメリットを最大限に生かし、毎日の排尿トラブルへのサポートを期待してみてはいかがでしょうか。
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